棚卸のたびに帳簿在庫と実在庫が合わず、実数に合わせて調整して締める。翌月も同じ品目で差が出る。こうした状態が続いているなら、差が生まれる場所がそのまま残っています。帳簿在庫は入出庫の記録から計算した今あるはずの数、実在庫は棚で数えた今ある数です。2つの数は別々の道筋で作られるので、記録の漏れや遅れがあればずれます。
中小機構のJ-Net21は、受払の記録を持つ企業にとって、棚卸は在庫の実在と在庫管理が機能しているかを確かめる手段だと説明しています。帳簿を実数に合わせても、時間がたつと再び差異が出るとも書いています。[1] 調整で直るのは帳簿の数だけで、差を生んだ作業の流れは残ると考えます。
製造業では、倉庫の外で現物が動く場面が多くあります。例えば材料が足りない場合は、記録前の持出し、廃棄した不良品、別の棚へ移した端数を現場と確認します。数量を動かした作業の記録から追うと、差が生じた時点を絞り込めます。
入力ミスや数え間違いを点検しても差が残るなら、工程側の記録から調べることを勧めます。なお、棚卸差損益の仕訳や税務はここでは扱いません。